津野敬子「ビデオで世界を変えよう」612本目

この人すごい!こんなにパワフルでめちゃくちゃ勇敢で行動力のある日本人女性が、こんな活動をニューヨークで長年やってきたなんて。あまりに素晴らしすぎる。

先日Netflixで見た「カメラが捉えたキューバ」というドキュメンタリーがすごく面白かったのです。カストロにも、その辺のおじいさんたちにも同じ態度で接し、カメラを抱えて取材対象とおしゃべりしながら撮影する、このジョン・アルパートという監督は何者なのか、これ以外にどういう作品を作ってきたのかググってみたわけです。そうすると、「キューバ」にもときどき映っていたアジア人女性が津野敬子さんでした。彼女は美大を出て、まだ1ドル360円だった1967年にニューヨークに渡り、アートに携わる中で当時まだ機器が発売されるかされないかという時期のビデオカメラを入手し、ジョンにそれを使ったドキュメンタリー制作を提案したのも彼女だったそうです。

この夫婦の勇気といったら!二人でキューバでもどこでもすっ飛んでいくのですが、爆弾がすぐそばに落ちても、その勇気が損なわれることはありません。出産を機に敬子さんのほうはNYに設立したドキュメンタリー制作会社の経営に活動の主軸を移していくのですが、それがまたNYのドキュメンタリーの歴史を作ってきた実に偉大な事業なのです。カッコイイ…カッコ良すぎる…。

私に限らず、「本当はこう思ってるんだけど」と心の中の思いを隠して、周囲に合わせようと無理してきた人はたくさんいるはず。彼女のような真っすぐわき目もふらない生き方がまぶしくてたまりません。

私もだいぶ生きてきたので、最近は好きなことばかりやるようになってきたけど、新しいことを学んだり挑戦したりすることにはおっくうになってきてます。生命力とか推進力が枯渇しつつある。このまま、ただのんびりやっていくのかなー、これで良かったのかなー。…まいっか。自分らしくこれからもやっていこう。 

いろいろ考えちゃうね、こんな本を読むと。

ビデオで世界を変えよう

ビデオで世界を変えよう

  • 作者:津野 敬子
  • 発売日: 2003/05/31
  • メディア: 単行本