高野秀行「幻のアフリカ納豆を追え!~そして現れた<サピエンス納豆>~」627冊目

あー面白かった!本当に面白かった。納豆という、どんなにお金がなくてもこれさえ食べていれば相当生き延びられるほど、安くて滋養豊富な食品(世界中どこでもきわめて安価で、材料や完成品が取引されてることもわかった)をネタに、著者はとうとう世界制覇を遂げてしまった。多分。文体も軽くて明るいけど著者の人柄も気安くユーモアたっぷりだ。でもそれより何より、やってることが面白すぎる。

世界の納豆菌をちゃんとした筋を通して輸入してもらって、世界の納豆料理が食べられるレストランをぜひ開いてほしいです。私は今日も、スーパーで買った普通のねばねばの納豆に唐辛子と塩とオイルをたっぷり混ぜて食べたけど、著者がこの本やこれより前の本で紹介した世界の納豆料理のようなものができるとは思えない。成城石井の乾燥納豆をスープに入れたほうがそれっぽくなるかな‥

九州の辺境の山間の村の出身の母に似て、小さい頃から納豆が大好きな私としては、著者の納豆活動を応援したいし、日本でできることはデパート的に世界の納豆を取り込んで自分のものにすることじゃないかと思います。ぜひ実現してほしいです。