綾辻行人・歌野晶午・法月綸太郎・有栖川有栖・我孫子武丸・山口雅也・麻耶雄嵩「7人の名探偵」962冊目

面白かった・・・どれも面白かったのに、頭から最後まで読み終えた今、「ぬえの密室」のことで頭がいっぱいになっている。他の小説のことは全部抜け落ちてしまった。この本当っぽい短編、すべて実在する登場人物たち、いったいこの短編(のアイデア)は存在したのかしなかったのか。(←フィクションなんだってば)ブレア・ウィッチ・プロジェクトや貞子のビデオテープみたいに、この短編に気を取られてしまう。ヤフオクに偽の「ぬえの密室 数十年前に部室のごみ箱から拾った草稿10万円」とか出てたらうっかりひっかかってしまいそうだ。まさにこれこそミステリー。

私は本を読むほうだと思うけど、ミステリーとかSFとか系統立てて継続して読み続けていないし、脇見しがちなロイヤリティの低い読者なので、「新本格」の定義も知らなければ、何かしら読んだことのあるこの作家たちの多くが同じ大学の同じサークルの出身だということも知らなかった。そういえばやけに京都が舞台だったり、関西弁の登場人物がいるなと思い出す。

好みでいうと、先日読んだ「山口雅也本格ミステリー・アンソロジー」の中の作品のほうが、じわじわと染みだしてくるレトロな味わいが好きかも。小さい頃クリスティばかり読んでたので、洋風の味わいのほうが馴染んでる、というのはあると思う。

ミステリーってほんとに成熟した大人の愉しみだな。フィクションだと思いながら読んでも、残酷な描写や死ぬ人の多さで読むのが辛くなったりする私は、まだまだ精神的に未熟なのかも・・・。