山口雅也「奇偶」967冊目

(ネタバレ?あります)

あえてミステリーではなくSF枠で登録します。これはなかなか難解というか、難しい言葉をたくさん使っているけれど、要は量子力学(01ではなくその間のどこかに存在する)とかシュレディンガーの猫という問題をぶわっと膨らませて、ボルヘス「砂の本」をPC上で入力してみたというお話だったのかな。とても実験的な作品だけど、やっぱり酸素の移動や人間の通り抜けには実感がなくて、仮定は仮定のまま私の頭の上を通り過ぎて行ってしまいました。メタ構成にするか超自然的なオカルトの世界にもっていってありきたりに楽しませてくれてもよかったかもしれません。

でも気になってしょうがなかったので、読めてよかったです。