小田原きよし「ヒトのチカラ。」345

これはいい本だ。

本として、構成とか文章の完成度とかの問題ではなくて(それも良いのですが)、コンテンツの問題です。読む価値のある内容をもった本です。

災害ボランティアって何?という漠然とした疑問を、初めてボランティアに行って長く滞在し、少しずつ知識や経験を深めていった筆者といっしょに、彼の手記を読みながら追体験できるのです。

日本にいるたいがいの人たちが、自分のことのように被災した方々をみて、テレビを見ているだけでは胸が痛い、何かできないか?と思っています。でもなかなか時間が作れなかったり、体力や協調性に100%の自信がなかったり、お金の余裕がなかったりして、何もできないフラストレーションにさいなまれている人も多いはずです。

何をするにも思い悩みがちな私も、震災から1年たってやっとボランティアに出かける勇気が持てました。行ってみたら、幸運にも非常に運営のしっかりしたボランティアセンターのある地域で、私たちは何も悩まずに与えられた作業をこなして、みんなで成果をあげることができました。よく組み立てられたツアーにまず参加してみて、それからこの本を読んでもっと深く理解する、という順番が自分にとっては良かったように思います。

ボランティアとは、「黙って来て、黙って働いて、黙って帰るものだ。」など、印象に残ることばがいくつかありましたが、読み終わってすぐに人に貸してしまったので詳細は思いだせません・・・。もう1冊買おうかしら。以上。