”負の遺産”に行く目的でどこかに出かけることはめったにないけど、行った先にそういうのがあるってわかったら必ず行きます。沖縄も、ベルリンも、広島も。一度だけボランティアツアーで福島に行ったのも、本当のことは自分の目で見て自分の足で歩いて知りたい、というのが強いから。
でもたいがい、目的地では楽しく過ごすのが第一の目的なので、この本の「第一の目的がダークな場所」というのはちょっと違うかもしれない。ダークな場所を見に行こう、というのが日本では難しい気もするけど、私みたいに楽しいツアーにダークなものを持ち込むのはもっと「興ざめ」感が強くて、もっとダメかも。
でも見たいんだよね。光があれば影があるので、私は両方見たい。明るいはずの場所で感じられる哀しみがあれば、その土地の悲しい記憶もたどりたくなる。できることなら、そういう複雑で美しい気持ちをほかの人たちにも感じてほしいと思う。だから、ダークも含むツーリズムのことがもっと知りたい。
この著者のダーク・ツーリズムの写真集もあるらしいので、そっちも見てみたいと思います。