木内昇「茗荷谷の猫」1200冊目

なんとも不思議な味わいというか匂いというか。

すごく平凡な、ボンクラといってもいいような人たちが次々に現れて、イケてない人生を送っている。そのイケてなさや、わだかまってる様子といったら、まるで私たちみたいだ。

ただ、彼らはぱっとしないけど特別不運という感じではありません。むしろどこか強運の持ち主のようにも見えます。なんでもよくできる人が突然の不幸にみまわれるようなドラマチックな物語が目立つものですが、この短編集を読んで号泣する人も大笑いする人も、多分いないだろうなぁ。

面白かったけど、まだこの著者のことをつかみ切れていないので、直木賞受賞作も読んでみたいなと思います。