峯山政宏「地獄のドバイ」336冊目

最近の海外旅行は、老後の移住をうっすらと思い浮かべながら行ってる私ですが(お金ないけど)、ひょんなことからリストに上がったドバイについて、適当に本を取り寄せて読んでみました。良さそうな本も悪そうな本も含めて、こういうときは濫読です。

 

「地獄のドバイ」の著者はすごく運が悪い。…さらに、若かったからだろうけど、いくつか「あとから考えればわかる」致命的なミスを犯してしまっている。それでも、よりによって日本人が外国人労働者として拘置されるというのは本当に貴重な経験で、おかげで、私のような浮ついた旅行者にもあの国の裏側をまざまざと、リアルにかいま見ることができました。この経験を本にしてくれてありがとうございました。悪いことしてないので、近い将来入国禁止が解かれることを信じます。

 

で、ドバイの現状だけど、観光ガイドに書いてある「世界一がどんどん作られていて、見どころたくさん」なのは当然、あのような小さな国では外国人労働者によるものなわけで、貧乏を知らない大金持ちが貧しい人たちを雇用するときに、かつてのアメリカとアフリカの問題のようなことが起こることは想像に難くありません。日本人のこの人は4日拘留されただけで済んで不幸中の幸いだったけど、何年もそこに住み続けている人たちのことを考えると、胃が痛んで息苦しくなります。正直、想像することもできない。

 

「自分が特権階級か何かだと思い込んで、他の人たちに失礼な態度をとること」が、多分私はこの世でいちばん嫌いなんだと思う。あの国に旅行して、もしそういう人たちにしか会えなかったら、もう足を踏み入れることはないだろうな・…。

 

ということで、次は「ドバイよかったよ」という本を読んでみます。