このシリーズほんと面白い。
冒頭の”墓マイラー”の方の記事、お墓へのリスペクトも強く感じられ、面白いし惹かれます。この本で紹介されているお墓に割と行ったことのあるところが多いのは、典型的な観光ルートに入りやすいからでしょうね。インドのタージ・マハルやフマユーン廟、エジプトのギザのピラミッド、バチカンのサン・ピエトロ大聖堂、英国のセント・ポール大聖堂やウエストミンスター寺院、ウズベキスタンのグル・アミール廟・・・観光ガイドの口絵ページに必ず載るものが多いのですが、スペインのサグラダ・ファミリアでガウディのお墓までは到達しなかったのと同様、どなたのお墓でどこに安置されているか認識しなかったものが多いかもしれません。
ジョン・レノンが亡くなったダコタ・ハウスの前に行って黙とうしたけど、セントラル・パーク内の「ストロベリー・フィールズ」のことは知らずにスルーしていました。インターネット前夜、まだ情報を集めるのが難しかった昔。。。
しかし、近代の著名人のお墓はほとんど行ったことないなぁ。だいぶマニアックな個人旅行コースですね。クラシック音楽が好きでも、ベートーベンやモーツァルトのお墓にまで行く人は少なそう。
逆に、ツアーでけっこう行く世界各国の日本人墓地はほとんど載ってなかったのでは?きっと墓マイラーさんはそういうところにも行かれたけど、載せるには至らなかったんだろうな。それに、日本国内の戦没者を悼む施設はひとつも載っていません。政治的、宗教的に複雑なものがあるんだろうけど、他の国々みたいに、何の宗教の人でも彼らのために祈れる場であるといいのに。
それにしても、日本の「すごい墓」は、仁徳天皇陵のような古墳などで、将軍の巨大な墓とかがあるわけじゃないんですよね。日光東照宮は載ってるけど、あくまでもその墓地の一角に家康の塔があるだけで、観光客は絢爛たる「寺社」として詣でるわけですもんね・・・。
墓のあり方もまた興味深い。このシリーズほんとにどれも面白いです。