劉 慈欣「老神介護」950冊目

劉 慈欣の初期の中編集、第二弾。第一弾「流浪地球」は3月に読んで面白かったけど、こちらもずっしりと面白かったです。

大昔に地球を発展させた神々は年老いて愚かかつ脆弱になり、地球を終の棲家と考えてやってきた。でも一家に一人の謎の介護老人は受け入れられず・・・というのが「老神介護」。その神々が属する”神文明”の後、地球を征服するためにやってきた”兄文明”の人々。彼らを撃退するため、地球上の生え抜きのスナイパーがなぜか超富裕層に雇われる・・・というのが続く「扶養人類」。「白亜紀往事」では恐竜と蟻との奇妙な共存が描かれ、「彼女の眼を連れて」では、自由に身動きが取れない状況にある他人の視界や触覚を身に着けて代理旅行に出る人のことが描かれます。そのときに代理されたほうの女性が最後の「地球大砲」でも言及され、彼女をそういう状況に追いやったテクノロジーの暴走が語られます。

という、内容の一部が関連しあった作品集です。だんだん作者の科学的イマジネーションの途方もなさに慣れてしまって、恐竜と蟻のコラボと言われても、初めて「三体」を読んだときほど驚けない(笑)今の中国は大宇宙時代だそうで、自国の宇宙ロケットが飛んだり、こんな小説がばんばん出てくるのを見て育つ子どもたちの創造性はものすごいものになるんだろうなと予想してしまいます。対する日本は大人のあきらめムードに子どもたちも多分毒されてて、数十年後を想像するとなんか元気なくなるなぁ。

アニメでも小説でも何でもいいので、日本からも頭をガーンと殴られるような傑作が出てくることを祈ります。