面白かった。アンソロジーっていいな、やっぱり。
最近はベストセラー情報を見たり、文学賞受賞作品を調べたりして、読む小説の幅は昔より広がってるけど、それでも全く知らない作家の作品を読んでみたくなることもあります。
高校までは地元の大きな書店のミステリーとSFの文庫本棚(ほぼハヤカワと創元)の前で座り込んで、今月のお小遣いであとどれとどれが買えるか、何十分も迷ったりしたものでした。小松左京、田中光二、眉村卓、半村良、豊田有恒、かんべむさし・・・たった1冊のアンソロジーの収録作家を覚えてるくらい、子どもの頃に出会ったものって刷り込みが深い。幼いので、エログロ系のものにはドン引きしたけど、忘れることはありません。(これだけ作家を覚えてるならその本が特定できるんじゃないか?・・・ググったら意外にも集英社から1978年に「ホラーSF傑作選」という本が出ていて、私が読んだのはこれだと確信。その後読みまくった河野典生もこれに入ってたのか)
別の本のことばかり書いてしまいましたが、そういう新しい出会いを求めて読んでみました。ミステリーの場合、密室なのかアリバイなのか動機なのか、注目するポイントでそれぞれアンソロジーが組めるけど、このシリーズは日本推理作家協会が選出した2004年の傑作短編を集めたものらしい。(19年も前だ)。
面白く読んだのに45年前と同じときめきがないのは、私の感受性がだいぶ摩耗してしまって、知識ばかり増えてしまったから。あのときのような感動にいつかまた出会えるかもしれないので、アンソロジーを読み続けようと思います。