2022-08-01から1ヶ月間の記事一覧

紋谷暢男 編「JASRAC概論」858冊目

JASRACの細かい規定が知りたくて本を探したんだけど、これ以外には見つからず(他はみんな批判的なものばかり)、借りてみたのですが、実務よりJASRACの歴史や法的根拠を書いた本でした。間違えた~~ 以前受講した、日本音楽出版社協会の「音楽著作権管理者…

遠藤周作「影に対して」857冊目

この短篇集を読むとき、主人公の姿を「のび太」として思い浮かべるといい。 小説のなかでは一人っ子のこともあれば、兄がいる設定のものもある。弟と考えた方が、主体性のなさがイメージしやすい。 父と別れてひとりで息子を育てている母の財布から、小銭を…

森・濱田松本法律事務所 編「情報コンテンツ利用の法務」856冊目

良書だなぁ。 よく疑問に思うけど判断基準がわかりづらいトピックについて、しっかり過去の裁判例を示して非常に論理的かつ簡潔に説明してあります。専門の弁護士にちょっと相談してみたら、こういう意見がビシッと返ってきそう。この法律事務所に実際に相談…

安藤和弘「よくわかる音楽著作権ビジネス 実践編 6th Edition」855冊目

広い範囲を整理してまとめてあって、かつ、各章の冒頭のマンガでポイントがつかみやすい。実践編だけど初心者にも良い本だと思います。 知財にかかわる仕事を長いことやってるけど、途中何度も抜けたので、法律がどんどん変わってるし、一生関わっていこうと…

骨董通り法律事務所 編「エンタテインメント法実務」854冊目

買う前に図書館で借りてみたのですが、必携だとわかったのですぐに買います。 エンタメ関連の法律解釈・運用に関して、福井先生をはじめとする骨董通りの先生方の信頼度は高い。交渉力が比較的低い実演家の立場をつねに配慮しつつも、レコード会社や放送局の…

莫理斯「辮髪のシャーロック・ホームズ」853冊目

これは面白かった! ツカミが最高ですよね。シャーロック・ホームズものは最近かずかずのリメイクが行われていますが、辮髪は初めてです。 という引きが強くてさっそくページをめくってみると、「序」に昔の中国っぽい意味不明な漢語が並んでいます。くじけ…

セーアン・スヴァイストロフ「チェスナットマン」852冊目

面白かった。翻訳もいいんだろうけど、ぐいぐい読ませる、確かな筆力のある作家だなと思います。 でもね、わたしは猟奇殺人は好かんのですよ・・・この本も、のっけから不必要に残酷な殺人があり、それに根拠を与える積年の恨みつらみが徐々に提示される、と…

高木啓成「弁護士で作曲家の高木啓成がやさしく教える 音楽・動画クリエイターの権利とルール」851冊目

これは仕事用。まさに今必要な本なんだけど、読み切れなかったので、買います。そもそも、一度読んでどうこうじゃなくて、こういう本は手元に置いて、わからない点が出てきたときに参照するものですね。 ちゃんと読んでからまた感想書き直します! 弁護士で…

日本SF作家クラブ編「ポストコロナのSF」850冊目

コロナ禍という状況が浸透してきた2021年4月の発行。なんともタイムリーで素晴らしい企画です。これね、19人もの作家(比較的若手が多い)が30ページくらいの短編を競作していて、大変読みごたえがあります。感染症が蔓延したあとの未来を描いてみたり、今そ…

チャールズ・ブコウスキー849冊目「町でいちばんの美女」

ブコウスキーはこれで3冊目。とても短い短編がたくさん収録されている本です。 冒頭の表題作は、美しすぎるゆえに全く幸せになれない女性の悲しくも美しい話で、やっぱりブコウスキーはなんだかんだ言って女性愛の人だなぁと思う。 「人魚との交尾」は映画「…

ヘレン・ケラー「奇跡の人 ヘレン・ケラー自伝」848冊目

このタイトルが誤解を呼んだんだな。原題は「The Story of My Life」。「奇跡の人」はサリバン先生のことなのだ。(「ヘレン・ケラーはどう教育されたか」の感想にも書いた)まさに、2冊が対をなしている良著です。 と同時に、人はどうやって言語を習得する…