押井守「凡人として生きるということ」217

1週間くらい前に読み終わってたんだけど、こっちも感想を書いておこう。

いま、映像ってものを理解したくて、有名なアニメ・映画監督の押井守の映像作品を集中的に見たり本を読んだりしています。これは、彼が持論をぶった一冊。今回手配したビデオや絵コンテ集の中で、一番作品から遠い本です。

文章を書くことが専門でない人の著書で、サンプルが1つとかごく少数しかないのに、そこから社会全体を一般化しようとして失敗しているのを見かけることがときどきあるんだけど、前半はこれもそれかなぁと思いました。自分は自分の生きてきた経験のなかで、自分の哲学を選択した。ということは、そう言えばいいだけなのに、同意を求めたり正当性を主張したりして、ちょっとカッコ悪くなってしまう。

でも、タイトルや後半で強調されてる、「すごい人にならなくてもいいんだ」というメッセージは、彼の作品を愛する迷える若者の気持ちをなぐさめてくれるんじゃないかと思います。オタクでいいんだ。変わり者でいいんだ。ただ、騙されるな。恐れずに愛するものを持て。・・・読めば読むほど、この人自身かなり変わってるなーと思うけど、そんな大人になってもいいんだ、という言葉には、だからこそ説得力があります。

引き続き作品鑑賞もやりますが、映画の感想はたぶんここには書きません。