鶴橋康夫監督「源氏物語~千年の謎」313

2011年12月10日公開予定作品。

友達が試写会を当てたので、見てきました。

鶴橋康夫監督”とタイトルに書いてますが、むしろ”角川歴彦製作総指揮”と書くべきかもしれません、この作品に関しては。

ストーリーは、「紫式部はなぜあのような源氏物語を書かなければならなかったのか?」

光源氏はどうして足ることを知らず、次から次へと女性を求め続けなければならなかったのか。御息所はどうして生霊にならなければならなかったのか。それは紫式部自身の、秘めた苦しい恋愛から生まれたものだった・・・。

美男美女が美しい衣装と舞台背景で演じる、ロマンチックでミステリアスな物語を、大スクリーンで2時間以上も見せてもらいました。面白かったですよ。

おおらかで美しい、昔の日本の高貴な人たちの生活の雰囲気が、よく伝わってきます・・・伊勢神宮で見た御神楽と同じような落ち着いてゆっくりとした雰囲気です。光源氏を演じる生田斗真も彼が焦がれる藤壺を演じる真木よう子も、藤原道長を演じる東山紀之紫式部を演じる中谷美紀も、みんな美しいです。それぞれの衣装も派手すぎずたいへん上品。

ストーリーもいいんだけど、ちょっと説明的なせりふが多いです。普段映画を見ない、行間を読むのがツライ人でも十分ついていけます。なにしろ生霊が呪い殺しちゃう映画なので、おどろおどろしい映像エフェクトも多くなりがちですが、衣装や演技がわりあい抑え気味なのに比べてエフェクトは派手です。

ダヴィンチ・コードがいい映画だったとも、その原作が名作だとも言うつもりはないのですが、タイトルから古の謎を解く!というパズル的なものを期待するとたぶんがっかりすると思います。しかし源氏物語という世界にどっぷり浸って映画館から出てくるので、映画を見ると原作が読みたくなります。という意味で、啓文堂グッジョブ!

かなり長そうですね、現代語訳も。原作に忠実そうな瀬戸内寂聴バージョンに挑戦してみようと思いますが、きっとこの人が書くとすごくエロいんだろうなぁ・・・。以上。