スザンネ・ブッデンベルグほか「ベルリン 分断された都市」297冊目

この年末年始、ベルリンに行ってきました。

ドイツは3回目だけど21年ぶり。当時からずっとドイツ在住のいとこの家で新年を迎え、その後ベルリンへ。ベルリンに住むいとこの友人と一緒になった縁で、ベルリンの町を案内してもらうことができました。

その親切な夫婦は、壁ができた頃の東ベルリンに生まれ、半生を東で過ごしてきたとのこと。美しい東ベルリンの町並みを案内してくれて、一緒にカリーブルストを食べて、本当に幸せなひととき…でも、彼らが過ごしてきた「東」の生活のことを考えずにはいられません。

ということで、近所の本屋に行ったらこんな本があったので買ってみました。

子どもにもわかりやすい、マンガで描かれた東西分断時代の実話エピソードが5つ。壁ができたのが西側の高校の卒業式だった女性の話。うまく西側へ脱出できた人の話や、失敗して命を落とした人の話。19歳の誕生日に壁が崩壊した男の子の話。イラストのほかに、地図や写真も挿入されていて、行ってきたばかりということもあって、リアリティを感じながら読み終えました。

今でも、いろんなことがその頃の影響を受けていると思います。案内をしてくれた彼らは、英語教育を受けたことがありませんし、ホテルのTVではRussia Todayが今でも見られる。いとこの家に遊びにきた近所の男の子の奥さんは、ポーランドから来たばかりの移民だったりする。歴史をちゃんと勉強したことがない私ですが、縁あって知り合った人たちのことを思い、すこしずつ理解を深めていけたらと思っています。

それにつけても、ベルリンの壁を乗り越えて亡命できた人が(命を落とした人もたくさんいたとはいえ)5000人以上いたというドイツに比べて、お隣の国の国境はなんて強固なんでしょう。どうか一日も早く、北と南の行き来や、外国との行き来がもっと開かれて、いつかまた一つの国になりますように。