李琴峰「ポラリスが降り注ぐ夜」732冊目

彼岸花が咲く島」で感銘を受けて、この作家の作品を順次読み進めています。

この本は、新宿二丁目LGBTの集まる街の小さな「L」バーに集う人々のそれぞれの暮らしを、温かいまなざしで描いた短編集です。

田舎の中高生だった頃、ロンドンの地下で夜な夜な繰り広げられる派手なパーティ、鋭いセンスを持ちビューティフルな生活をする人々、とかにすごく憧れたもんでした。いい大人になった今、そういう生活はちょっと空しくも感じられて、もう羨望は感じなくなったけど、美しく個性的な女性たちが集う二丁目のバーには、昔みたいな憧れを感じるなぁ。自分のアイデンティティを太く持っていて、それを軸に生きていけるというだけで美しいと思う。傷ついても、傷ついても。

二丁目には昔、ゲイの友人に連れて行ってもらったことがあったな。90年代にはまだ女性が少なかったんじゃないかと思う。あの頃がいちばん、LGBTカルチャーの近くにいた。

「あとがき」に書いてあったように、まず「新宿歴史博物館」に行ってみようかな…。