アンソニー・ホロヴィッツ「メインテーマは殺人」808冊目

カササギ殺人事件」に続いて、この著者のミステリーを読むのは2回め。

面白かったけど、まぁ作為が多くて作りこんであって、頭が忙しかったです。著者と同じ名前・同じ設定の語り部(”ワトソン君”)が、変な思い込みをしたり間違った推理をしたりして、捜査を混乱させるのが違和感が強い。カササギ書いたアンソニーホロヴィッツなのに。ホーソーンホロヴィッツのシリーズは今後どんどん書かれるらしいので、慣れるしかないのかな…(有栖川有栖の小説みたいに)

必ずヒントをすべて提示しておいて、どこかのタイミングで読者になぞ解きを促す場面があります。でもそのヒントや動機やトリックは、なんとなく、ストーリーと関係がない。なさすぎる。謎解きのための謎解きがあって、ストーリーの自然な流れや動機の必然性と、事件の関連性がするっと入ってこない。そこがアガサ・クリスティの心理学者みたいな深さとは違う。

とか言いながらまた読みますけどね…。