最近わりと目触りのいい(そんな言葉ないか)小説ばかり読んでたので、毒気に当てられたくて久しぶりにこの人の本を読んでみる。
少女が自分自身のことを選ばれた魔法少女だと妄想し、同様に自分を宇宙人であると妄想しているイトコと共鳴しあう・・・というところまではいい。SFだ。彼らの家庭はちょっとおかしい。かなりおかしい母と姉が家では彼女に当たり散らす。自分を「ゴミ箱」と感じる彼女は塾講師に性的ないたずらを受ける。・・・そういう少女の逃げ場として妄想があるのか、と、だんだん読んでいて気分が悪くなってくる。これだ。この感じ。そしてその胸が悪くなる感じは、結末までひたすらエスカレートする。あっぱれだ。
もしかして村田沙耶香は、筒井康隆的な荒唐無稽でぶっ飛んだSF作品の正統的な後継者なんじゃないだろうか・・・。
予想も期待も超えたすさまじい作品でした。拍手。