島田荘司「占星術殺人事件」1022冊目

面白かった!読み応えあった!

トリックは確かに大胆不敵、しかも犯人が・・・。読み始めたときは「魍魎の匣」みたいなオカルトっぽいミステリーだと思ったし、そういう雰囲気をかもし出すために設定を昭和初期にしたのかなと思ったけど、トリックの設定上も必要だったんだな。それを知った上で、40年間も解かれなかったミステリーを変わり者の占い師探偵が解くという構成はすごく魅惑的でした。

これ、多分「史上最大のトリックベスト10」みたいな何かで見て読んでみようと思ったんだけど、なるほどの充実感でした。文中2回「読者に挑戦」という場面があるけど、真剣に作家と対峙するより、流されて読んで「すっごーい!」と喜ばせていただきました。大満足です。

ところで・・・これに登場するのと同様の偽札事件って私の地元で起きたことがあって、大きな看板をかかげたその人の店舗のことを思い出しては、(夜な夜な作業してたんだな・・・)と思ったものでした。これ自体は、時代に関係なくできるトリックだから、昭和初期の事件であっても説得力あります。

誰かが勧める本を読んだり映画を見たりするのって、やっぱりいいな。自分では出会う機会がなかった世界に出会えて。読みたい本がまだ山積みだわ。