逢坂剛「情状鑑定人」174

練られたプロットの短編集。初期の作品集らしいんだけど、短編集であるということも、初期の作品だということも、読んで初めてわかる。出版社のこの作家の担当の方、そういうことわかるように外に書いといてください。重ね重ね。

感想ですが、どの作品もどんでん返しに次ぐどんでん返しで、”実力派の若い作家が力技で書いた”という印象が強い。実際単行本が出たのが85年だから24年も前です。特に表題の「情状鑑定人」に出てくる精神科医の人物像がすごい。祝田卓ってその後の作品にも出てくるのかな?

最後の短編にはおなじみ斉木と梢田コンビとセクシー女刑事が出てきますが、こんなに悪徳警官がたくさん出てくるシリーズがなんのことなく世の中に出てることを考えると、警察って懐が広いなぁと思う。

これは「のぞみ」車内に置いていきます・・・すまん。