早川書房編集部・編「世界短篇傑作選 天外消失」1007冊目

読むのに時間がかかってしまった。

昔の翻訳なので、舞台っぽいというか、若干口語に今より誇張が多くて少し読みにくい。そこが魅力でもあるので、楽しむためには読むのがゆっくりになってしまう。トリックも、「それアリかよ!?」のテイストが最近の、たとえば2010年代以降のミステリーとは違う。科学捜査が今ほど進んでいない頃の話だから。そういうのを、ミステリーを読みそめた中高生の頃の自分に戻ったような、まっさらな気持ちで読む楽しみ。あの頃読まなかった、新しいミステリーを読むよろこび。じっくり味わえました。買おうと思っても古本もなかなか買えないこういう本を、図書館で借りられて感謝です。