マリアーナ・エンリケス「寝煙草の危険」1008冊目

装丁がまず綺麗。蛾は苦手だけど、この本の中の世界の不思議な美しさを象徴していますね。

カズオ・イシグロが激賞しているという、新進気鋭のスペイン語文学の作家は、アルゼンチンの女性らしい。文学界のロック・スターだ、ホラー・プリンセスだ、とも書かれています。南米特有の、私の大好きなマジック・リアリズムに満ちていて、生きている人と死んだはずの人、この世の者ではない人が共存し、降ってきた厄災に翻弄されます。このユニークな想像力。

スペイン語を勉強し始めたばかりの私としては、小説のタイトルって簡潔で時制もややこしくないので、だいたいわかってうれしい(涙)もしかしたら、辞書があれば原書読めるかな・・・

ここで無理して原書を買っても、書棚のこやしが増えるだけだ、という気もするけど、この翻訳書はレア本をいつも出してる印象のある「国書刊行会」による出版。値段は3800円+税です。この先、手に入りやすい値段で次々に翻訳書が出るとも思えないので、もっと勉強して原書に挑戦してみようかしら。。(原書も高いかもなぁ)