本)ミステリー

東野圭吾「悪意」145

「白夜行」にすぐに続いてもう1冊。なかなかaddictiveな作家です。 今回は体裁が凝っていて、容疑者と刑事の手記を章ごとに交代で見せていくという展開がスリリング。何度も何度もどったんばったん「大どんでん返し」を繰り返しつつ、真相に迫っていきますが…

東野圭吾「白夜行」144

はー、重かった。 手が疲れた、だって文庫本1冊で854ページもあるんだよ・・・ じゃなくて、内容が。(←長い) 思えばこの人気作家の本を読むのは初めてでした。この本も表紙が綾瀬はるかと山田孝之で、なにやらトレンディなイメージも少し持ってたんだけど…

逢坂剛「カディスの赤い星」(上・下)137

大娯楽長編ミステリーでした。上・下で長いんだけど、あっという間に読み終えた。 日西テロリストによるスペインの総統暗殺計画とフラメンコギターを2つの軸に、恋愛あり親子の情あり秘密あり犯罪あり・・・盛り沢山です。映画化したら盛り上がりそう。 ハ…

逢坂剛「よみがえる百舌」134

面白かった。これは「百舌の叫ぶ夜」の続編なのですが、本編より評価高くなってますね、私。 ハードボイルドだけど、主人公が気骨のある女性なのがいいのかな。白髪交じりの年上の男性との恋も、ほほえましい。登場人物が生きてるし、展開がスリリングでどん…

門田泰明「美貌のメス」128

うーん、これは・・・なんてつまらない本を読んでしまったんだろう。 きっとこれは、サラリーマン向けの退屈しのぎとして書かれたのだろう。 美貌で超ナイスバディの敏腕女性外科医が、男性医師のネタミやソネミを受けつつも、小児患者に母のような慈愛のま…

木下半太「悪夢のエレベーター」122

駅ナカの本屋の店頭に平積みにされていて、つい出来心で買って読んだ。 自分でひまつぶしの文庫本を買うのは、ひさびさだー。 偶然エレベータに閉じ込められた?人々が繰り広げるドタバタ劇、どんでん返しに次ぐどんでん返し、どんな人にも秘密あり、とって…

逢坂剛「裏切りの日日」114

2冊目、読了。 トリックの「How」を解こうと読み進みつつ、2つの事件のつながり「Why」も解かないと全体が解けません。 最近は昔と違って悪徳刑事ってのも普通に出てくるので、人質も刑事も含めて、誰が悪者かわかりませんね。 (最近といっても20世紀以降…

乃南アサ「嗤う闇―女刑事音道貴子」109

ミステリーとしてのトリックや謎解きの醍醐味!が欲しい人向けではないですね。推理小説(探偵小説であることが多い)と警察小説はジャンルが違うと思う。こっちは「はぐれ刑事純情派」とかと同じ警察小説で、むしろ人間を描いたドラマのほう。作家も主人公…

桐野夏生「ジオラマ」103

例によって、人間が誰でも持っている暗い、いやらしい部分だけをいろいろとピックアップして、いろんな風に展開した、短編集です。読まなきゃよかった、と思いそうになったけど、それほどでもないのは、バラエティな暗さが細切れで楽しませてくれるからでし…

藤田宜永「奇妙な果実殺人事件」102

いろいろやることがあるのに、つい読んでしまった。 この本は密室トリックのある「本格推理小説」だけど、この人は探偵小説などいろいろなジャンルのものを書く作家で、直木賞も受賞しています。むしろミステリーは珍しいらしい。 内容はタイトル通り、ビリ…

唯川恵「刹那に似てせつなく」93

なにかハッピーなロマンスでも期待していた私がバカでした。 のっけから喉を包丁で切り裂く殺人事件。横浜の蛇頭が出てくるわ、じゃぱゆきさんの売春婦が出てくるわ。バイオレンスで不幸で裏街道で、なんだか馳星周の世界です。 ・・・という意味で、パパの…

ケン・ウェバー「5分間ミステリー」92

そういえばこんな本も読んだっけ。 ミステリーは好きで、中でも謎解き系が好き。この本はせいぜい3ページくらいの状況設定とQが1つ、というのが1冊に37個も設定されているので期待して買ったけど、アメリカの特定の階級の人たちの常識に基づく観察力が求め…

真保裕一「真夜中の神話」90

インドネシアのカリマンタン島にいるまだ年端も行かない巫女(地元の言葉でドゥクン)に命を救われた日本人薬学者の女性が、最初はその癒しの秘密を探ろうとし、やがて巫女が追われていることを知り、トラブルに巻き込まれながら彼女を助けようとする・・・…

岡嶋二人「99%の誘拐」86

設定が古いなぁと思ったら、1988年の作品でした。 決して古臭くはないけど、インターネットというものが出てこない代わりにパソ通が出てきたり、パソコンと「カプラ」持って公衆電話で接続したりするのが、マニアっぽくていい感じです。 岡嶋二人というのは、…

逢坂剛「百舌の叫ぶ夜」85

ハード風ミステリーです。「翳りゆく夏」が名作だったんで、比較するとアラが目立っちゃうなぁ。 最後の場面で、疑わしい人たちがなぜか件の場所にバラバラと集結して、それぞれの断片を組み合わせてストーリーを1から全部語る・・・ってのは、作者がやるべ…

赤井三尋「翳りゆく夏」83

さっそくですが、父の蔵書シリーズ。重複してるあたりから。(笑) 第49回江戸川乱歩賞受賞作とあるので、期待して読みましたが、裏切られませんでしたね。 結末や犯人は、実は2時間ドラマとかにありがちな内容だけど、なにより文章がいい。じっくりと人間が…

小池真理子「恋」78

わたしの父はわたしの何倍も読書家なので、田舎に帰る度に、本の山の中から何冊か抜いて、田舎の退屈な夜に読んだり、帰りの電車や飛行機の中で読みふけったりする。 今回はダンボール3個分も文庫本がたまってた。女性の作家を中心に何冊か持ってきた中で、…

樋口有介「彼女はたぶん魔法を使う」56

春休みの気軽な読書シリーズ。 女好きで二枚目気取りの私立探偵が、美人のクライアント、殺された妹の友達(これも美人)、別居している妻、これまた美人の愛人等々に振り回されつつ、徐々に真相に近づいて行く・・・ わたしの大好きな「土曜ワイド劇場」的…

ローレンス・トリート「絵解き5分間ミステリー」55

春休みの楽しい読書シリーズ。しかし充実した読み応えというものはなく、多胡輝の頭の体操シリーズでも買えばよかったかな、という感じ。ミステリー形式のパズルをショートショートくらいのボリュームで書いてあるシリーズもの「5分間ミステリー」ってのがあ…