ジェイムズ・リーバンクス「羊飼いの暮らし」980冊目

これも「一万円選書」の一冊。これは読むのに時間がかかった~。エネルギーも必要でした。この表紙にあるような穏やかでのんびりした雰囲気とは真逆の、苛烈なファーマーの生活が淡々と語られていて、その臨場感のおかげで読んでいるだけで一緒に消耗してしまう。

それくらい壮大な、何世代にもわたる、人間たちと羊たちと犬たちと湖水地方の山々の日々の記録。都会のすすけた生活と対極にあるそういう生活を、オックスフォードに学んだ羊飼いが書き記すことによって、世界は知る機会を得たってことです。

日本にもこんな風に伝統の中で暮らし続ける人たちはいるんだろうか。地震や洪水といった自然災害も多いから、最新手法を取り入れざるを得ないこともあるんじゃないだろうか。

重厚だけど静かな本でした。尊敬します。こういう人たちのおかげで地球が守られてる。