町山智浩「「最前線の映画」を読む」545冊目

熱烈なファンかなにかのように、同じ著者の本を読み続けてますが。

この本は2016年あたりに公開された新作映画を取り上げて、いつものように深堀りしています。

マーティン・スコセッシ監督、遠藤周作が原作の「沈黙」の分析が深くて泣けました。原作を読んだ時も驚愕したけど、映画があまりにも観客を追い込む辛い辛い作品だったので、とにかく日本の弾圧のひどさ、日本人の「お外の人たち」に対する残酷さに、自分が日本人であることを恥じたくらいでした…が、この本ではカトリックにおける「キリストの否定」、棄教ということについて詳しく解説していて、カトリック教徒がこの映画をどう見るかというヒントが得られました。

あと、今回この本を見て新規に見ようと思ったのは「ワンダーウーマン」。アメコミが原作の映画ってあんまり面白そうに見えないけど、ここまで深堀りしてもらえると、がぜん興味が湧きます。

「最前線の映画」を読む (インターナショナル新書)