山口貴大「年収300万円FIRE」995冊目

似たようなタイトルの本、たくさんあるなー。もっと、一人暮らし女性向けとか、生活が困窮している人向けに書いたものがあってもいいと思うけど、読む余裕もないから書かれないんだろうか。

要は「若いうちはできるだけ稼げ、どんなに稼ぎが増えても生活レベルを上げるな、余裕資金ができたらS&P500ファンドを買え」というシンプルなことが、たぶんどの本にも書いてある。私は給料がわりと良かった会社を辞めて、年収300万円の世界へ移行したので、改めてお金のことを考えようと思って読んでみたんだけど、ルールは基本同じだった。

私には骨身にしみついた「貧乏性」という性分がある。会社を辞めて失業手当も出ない数か月は、これからどうしようと青くなったけど、「そうだ!金銭感覚を学生の頃に戻せば大丈夫!」と思い定めた。コーヒーは安い生豆を大量に買って、少しずつ焙煎して飲むとか。ものを買うときはまず100円ショップを回って、売ってなかったらAmazonとかでバカ安商品を探すとか。スーパーもまず100円ローソンから回る。散歩のときはコーヒーをボトルに入れて出かけて公園で休む。図書館カードをたくさん作って、読みたい本は基本すべて借りる。どうしてもすぐに読みたいベストセラーは、ブックオフで買ってメルカリで売る。etc. お金の多寡より、工夫してお得な生活ができているかどうかで達成感を得る。収支を毎日チェックする。・・・そうやって暮らしを楽しんでいれば、収入の何パーセントを貯蓄に、とか考えなくても収支はプラスになるので、残ったお金をときどきまとめて証券会社で何か買う。(でも本当は、コロナで海外旅行に行けなかったから余裕ができただけかもしれない)

この生活で悩むのは唯一、旅行して一流ホテルに泊まろうとか、特別おいしい高級レストランに行こうという素敵なお誘いなんだよな・・・。たまになら意を決して行くけど、お誘いというのはえてして重なる、連続する。事情があって立て続けに旅行したとき、貧乏性が表に出てしまって安宿を手配したら、いろいろ残念なことがあって、友人も私もすっかり不機嫌になってしまったという失敗をしてしまった。あのときのホテル代は必要経費だった、空きがあったんだから一流ホテルのほうにすればよかったのだ、と何度も思い返してしまう。。。お金は、使うべきときに使うために稼ぎ、貯めるものなのだ。

あとやっぱり、お金があろうとなかろうと、なんらかのコミュニティに所属できて収入が得られる仕事は、バランスのいい人間でいるためには必要だなと思う。無給でも責任のあるボランティアでもいいのかな。「今の生活のまま一生暮らそう」という状態には、死ぬまでならないんだろうな・・・。