デビュー作「イッツ・ダ・ボム」が面白かったので第二作をさっそく買って読んでみました。あっという間に読了。新刊をすぐ買うことはあまり多くないほうだけど、今日久しぶりに新宿東口の紀伊國屋書店本店に行ったら、パラダイスのような素晴らしい書店になっていてあまりに感激して、2冊も買ってしまいましたよ。一時期、似非科学本ばっかり積んでた時期があったような記憶があって、あえて素通りするようになってもう何年もたっていたけど、たまたま通りがかってよかったです。
こんどは”ホスト崩れ”の青年が、さらに落ちていくのか?という設定で始まります。ふつうの人に誰でもある見栄が増長していくのが彼の特徴かもしれません。大学を辞めたのは起業したからで…それがうまくいかなくなって知り合いのところで働いて…などというウソを次から次へと繰り出します。やればやるほど回収不能になっていくことや、自分で自分をおとしめている、ということには無自覚です。
しかしこの著者の描く主人公は、そこでぼんやりと絶望したりしません。再会した素敵な女性の愛ある励ましに押され、彼は自分が巻き込まれた大きな事件を観察し、分析し、謎に迫っていきます。このリアルで丁寧な謎解きのプロセスが、ちょっとヒヤヒヤするけど、読んでてとても気持ちいい。前作から期待したものがちゃんとありました。
ああ、まだまだ本が読みたい。今日買わなかったあの本も、この本も読みたい。目が乾いて痛いけど。これを読書の沼って呼ぶんですか…。