伊坂幸太郎「死神の精度」424冊目

だんだん、ジャンル分けってあんまり関係なくなってきてる気がしますね。
「漁港の肉子ちゃん」にも、最後に明かされる謎があったし、この本の場合「事件」が起こって人が死ぬことはミステリー的だけど、犯人探しやトリック解きの側面はありません。

この本は、最初は特殊な仕掛けで読ませようとするなぁ〜って思ったけど、「雪に中のペンションでの連続殺人」なんて、(とりあえず書いてみたかったんだろ!)と作家に突っ込み入れたくなるようなオイシイ設定だし、きっと楽しんで書き連ねて行ったんだろうなと、だんだん集中していきました。

最後の「死神対老女」に出てくる老女がとってもいい。逆境にあった後どう生きるか?と考えてみたときに、この人のような答えが出せたらいいと思います。
伊坂幸太郎の、こういう人間愛みたいなのが、嫌いじゃないんだよな〜。