2022-01-01から1年間の記事一覧
「春にして君を離れ」に続いて読んだ”メアリ・ウェストマコット”名義の小説。 重かったなぁ。若くて純真な女性の一途さが傷つくと、きっと誰しもこんな経緯をたどるんだろうと思う。そこから枝分かれして、人を赦せるようになったり、人をもっとよく知るよう…
最初は自閉症の人の内側の気持ちが知りたくて読んだけど、この人の文章が好きになって何冊か読んでます。反射的に人とうまくやれる人は深く考える必要がないかもしれないけど、不器用な私は、なぜうまくいかないのか考える。そんなときに、考え続ける東田さ…
前作につづいてこちらも読んでみました。 1作目は、二人の主役のバックグラウンドを読むのが楽しかったけど、2作目の前半は説明が必要以上に詳しく感じられてちょっと飛ばしたくなってしまった・・・でも、ストーリーがぐいぐい動き始めてからは引き込まれて…
知り合いが読んでいたので、初めてこの作家の小説を読んでみる。 ミステリーというより警察小説かな? 手練れだなぁ。まったく無理のない、流れの良い文章、ストーリー運び。ここまで”引っ掛かり”のない小説も珍しいくらい、面白くするする読める。しかも書…
テレビでこの人の活動を紹介してるのを見た。「プロフェッショナル」かな? 子どもといっていい年齢でホームレスということに出会って、即ボランティアを始め、その後ずっと彼らを知り、彼らのことを発信し、彼らと共存するための活動だけに邁進している女性…
自分の人生は基本的に”黒歴史”だと思ってる。好かれようとして空回りして、自分のことが嫌いになることがあった。というか、だいたいいつもそうだ。そう自覚していてもなお、思い出したくないことがいくつかある。その一つがこれだ。小さいころ父がこの「に…
<結末にふれています> どこで見たんだっけ?と確認したら、最近注目してる阿津川辰海「蒼海館の殺人」で章のタイトルに使われてた名作の一つだった。クリスティが「メアリ・ウェストマコット」名義で発表してた作品で、殺人が起こるようなミステリーではな…
「ぼくはイエローで・・」で去年この著者の本を読むまで、うっすら名前を聞いたことがあるだけで全然知りませんでした。同い年で同じころにロンドンパンクにはまったところまでは同じだけど、私の親はぎりぎり私を大学に行かせてくれて、その後の道は違って…
今回も面白かった。 思うに、①「ミステリーinミステリー」という仕掛けを楽しむための作品だということと、②アラン・コンウェイ作ミステリーにはアナグラム等の言葉遊びが大量に隠されている前提であること がポイントの小説なので、純粋にその部分を楽しむ…
面白かった。一人の男の生きざまとして読み応えがありました。テレビとかで見てると、ギラギラしていて貪欲に何かを追い求めてるようで、圧がすごいちょっと怖い人みたいに思ってました。人の話はちゃんと聞いてみるものだ。本当に師匠に心酔し、落語と講談…
映画を見たけど、当然ながらフィクション部分も多いだろうと思うので、原作を読んでみました。高齢のお母さんを連れて行ってみて、実際はどうだったのか?ということが知りたくて。 不思議なくらい、映画の印象に近かった。お母さんが階段から落ちて腰を傷め…
先にこの著者の「蒼海館の殺人」を読んだら、スムーズではないけどとっても面白かったので、評判のデビュー作をさかのぼって読んでみました。 これもすごく面白かった。過去の荒唐無稽ミステリーにリスペクトをささげつつ、さらにさらに無茶に無茶を重ねた設…
この本、読もう読もうとかなり昔から思ってたけど、読まないうちに早期リタイアしてしまって、お金の算段もついてないというありさま。今さらながら読んでみました。 私が育った家は、贅沢はできないけど普段の生活に困ることはなかったので、著者が経験して…
タイトルにぐっときて即借り。でも予想とまったく違う本だった。 予想:音楽評論家が名探偵で、スコットランド・ヤードから呼ばれると(殺人現場に落ちてたCDがどこの国の何てレコード会社から出た盤か、どこでやったライブのブートレグか、等々)駆けつけて…
とにかくコンテンツの多い本。 エジプトのギザのピラミッド、アメリカのセドナ、ギリシャのパルテノン神殿、メキシコのテオティワカン、カンボジアのアンコールワット、バチカン、スペインのサグラダ・ファミリア、ブータンのタクツァン僧院、イギリスのスト…
いい本だった。好きなこと以外は苦手で、勉強にもなかなか身が入らなくてもいいのだ。好きこそものの上手なれ。のびのびと育った明るくて優しいさかなクンを見ていると、この本が育児の参考書にもなるんじゃないかって気がしてきます。(すみません、子育て…
これはまた、旅したい心をくすぐる、各大陸の端っこをぐるりと回る本。大陸の端っこだけじゃなくて、エクストリームな気候(酷暑や厳寒、突風や極度乾燥)の土地や最高峰や地底まで。年をとってから都会より地の果てを目指すようになった自分には、眺めてい…
このタイトルで、旅行ガイドだと思って読む人がいるんだろうな(笑)。本屋の店頭なら、売り場でわかるだろうけど、私みたいに図書館で借りる人は、タイトルくらいしか情報がないから。間違って読む人を意図したタイトルなのかな? 感想をいうと、私自身の中…
同じタイトルでこれがミステリーだったら、苦労を重ねて命を危険にさらしながら「空白の五マイル」の全エリアを最初に踏破した冒険者が、最後に桃源郷のような光景を目の当たりにするような絶頂感を味わって終わるのでしょう。最近気軽にミステリーも何冊か…
哲学って「いかに生きるべきか」を難しい顔で死ぬまで考え続ける学問?(違ってる気もする) この本の中で、小学生が「人はなんで死ぬか」といったテーマを好んで選ぶと書かれてるけど、私も小さいころずいぶん考えて、「人生はつぶすためのヒマである」って…
読んで感想を言う本じゃないことはわかってますが。ぱらぱら全ページを眺めてるのが楽しかった~。心も視界もぱーっと広がる気がしますね。 行った世界遺産が少し、行きたい世界遺産たくさん、絶対いけない世界遺産(立入禁止)もいくつか。いつか行けそうな…
予想外に面白かった。最近、できのいいミステリーを読んでも、トリックの矛盾のなさ(なさです、なさ)ばかりが気になってしまうことが多くて、素直に楽しく読めてなかった気がする。文章はどこか堅くてちょっと読みにくい。動機は謎だけど、犯人像はよく描…
読んで感想を書くような本ではないけど。コロナ禍のいま、かなり旅したい気持ちを満足させてくれました。都市なら空港からの交通の便も良くて行きやすいけど、どこの国も離島はアクセスが悪い。なかなか行けない場所ほど、行きたくなるし、写真や情報を見る…
タイトルが最高だと思って借りました。著者はモンティ・パイソンのジョン・クリースの元で仕事をしてたことがあるとのこと。知的でドタバタで、とてつもなくバカバカしい…というモンティ・パイソンのセンスが確かに感じられる気もします。 全体的には、私に…
面白かった。先を急いで読み切った。あまりにも、うまいこと偶然や運命が重なったり、関係者の情熱がすごすぎたりするし、やけにロマンチックすぎたりするところは、面白い少女マンガみたいな感じです。世の中には、本当らしさを追求して、読む人に心の痛み…
この人の小説は、ものすごく好きだけど、とてつもなく寂しい気持ちになる。 「図書室」は病弱だった子ども時代に、一人で部屋の窓から外の雨を見てたときみたいな気持ちになったし、「リリアン」はよくわからないまま付き合い始めた人と、なんの未来も見えな…
「カササギ殺人事件」に続いて、この著者のミステリーを読むのは2回め。 面白かったけど、まぁ作為が多くて作りこんであって、頭が忙しかったです。著者と同じ名前・同じ設定の語り部(”ワトソン君”)が、変な思い込みをしたり間違った推理をしたりして、捜…
もう3000本以上見たのに、見れば見るほど見たくなる魔性の世界が映画だ。すごく読みたくてやっと入手して、やっぱり「見たい作品リスト」を100本メモってしまった。その間にも次々と、新しい映画が公開されていく。見終わることがないのはありがたいことだけ…
本当に教科書だった。しかもカラー図解たっぷり、1テーマ見開き2ページずつにまとまっていて、すごくわかりやすく包括的。これは、不動産業界や建設業界に就職したい人だけじゃなくて、マンション買おうかなと思い始めた人、リート買ってみようかなと考えて…
やっぱりこの人の小説は面白い。この本には、煮え切らない彼氏に見切りをつけるべきか悩む洋服店員と、美人すぎる友人をもった女性、それぞれを描いた2編が収められています。 同じ女性としては「作品の感想」が書きづらい。どうしても、主人公に対して一言…